太陽光発電とは、専用の太陽発電モジュール(ソーラーパネル)を使って太陽の光エネルギーを電気エネルギーに変換して発電するシステムです。地球に降り注ぐ太陽光エネルギーはとてつもなく大きく、電気エネルギーに換算すれば地球全体の年間エネルギー消費量をたった1時間でまかなえるほど巨大なものです。
太陽光発電にはさまざまなとメリットとデメリットがあります。上手く活用することで上手にエネルギーを生産し、また光熱費を抑えるといった経済的なメリットを受けることができます。ただし設置する環境に左右されるなどのデメリットもあるので、太陽光発電システムについてしっかりと理解された上で導入を検討されることをおすすめします。
太陽光発電システムを導入することでさまざまなメリットを享受できます。最も魅力的なのは経済的に優れているというところ。上手に活用すれば光熱費を大きく削減することも可能です。
昼間に発電した電力は家庭やビルなどで使われる電気として消費することになりますが、使い切れずに残った電気を電力会社が買い取ってくれる制度があります。
CO2を排出しないという点も太陽光発電の1つのメリットですが、地球温暖化抑制に貢献することから国や自治体が補助金制度を設けています。
太陽光発電システムのパワーコンディショナーを利用することによって、自然災害によって停電が起こった場合などでも家庭に電気を供給することができます。
最も懸念されるのは設置にかかる費用です。補助金を受けられるなどのメリットもありますが、効率的に発電できるように予めデメリットへの対策を講じておかれることがおすすめです。
太陽光発電を一般的な家庭に導入するための設置費用としておよそ120~200万円程度の初期費用がかかり、頭金の準備やローン活用などの検討が必要になります。
天候や地域によって発電量が大きく異なるため、設置を希望している場所の日射量や屋根の向きなどについて十分な調査が不可欠となります。
太陽光発電システムの耐用年数は20年程度と比較的長いですが、設置費用を回収するためには定期的なメンテナンスを施して発電量を維持することが大切です。
エコロジーなエネルギーという点で太陽光発電システムを導入される方もいらっしゃいますが、やはり一番気になるのは、『費用を何年間で回収することはできるのか』『今設置すると得するのか損するのか?』というところだと思います。そこで今年2015年(H27)に太陽光発電システムを導入する上でのメリットとデメリットを紹介します。
太陽光発電システムの設置費用は年々下がってきています。開発が進んだり、震災後に大量生産されるようになったことでさらに機器費用は下がりました。2015年は施工業者間の競争が以前より激しくなり、さらに設置費用は安くなると予想されます。
3.5kW導入費用 | 2001年 | 2006年 | 2011年 |
---|---|---|---|
太陽電池 モジュール |
169万円 | 152万円 | 115万円 |
周辺機器 | 67万円 | 56万円 | 38万円 |
設置工事費など | 31万円 | 31万円 | 28万円 |
合計 | 267万円 | 239万円 | 181万円 |
研究によって年々エネルギーの変換効率が向上しています。以前は13~16%程度だった変換効率も最近では20%を超える太陽電池モジュールも販売されるようになってきています。
大量生産されることにより工場への設備投資が進み、また製造過程の研究開発も進んだことによって太陽電池モジュールが長期間にわたって故障しにくくなってきています。
国からの補助金は2014年3月31日に打ち切られましたが、都度府県や市町村が独自に補助金制度を実施しているところもたくさんありまだ活用できます。
2014年度の売電価格は以下のようになっていますが、家庭用の10kW未満の場合で考えると、2015年度の売電価格は37円 → 30-32円/kWh程度に下がると報道されています。
システム出量 | 10kW以上 | 10kW未満 | 10kW未満 (ダブル発電) |
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売電価格 (1kWhあたり) |
32円(税抜) | 37円(税込) | 30円(税込) |
固定買取期間 | 20年間 | 10年間 | 10年間 |
2014年4月1日より消費税が5%から8%に上がりました。設置費用がまだまだ高い太陽光発電システムなので、3%の増税は初期費用アップにつながり、回収までの期間が長くなってしまうデメリットがあります。
太陽光発電による電気エネルギーは電力網で周波数の乱れなどを引き起こすなどを理由にして、電力会社のほとんどが10KW以上の産業用太陽光発電からの買取を中断したり制限しています。10KW未満の家庭用太陽光発電に関しては買取制限は行われていません。
同じ住宅用の太陽光発電システム3.5kWを導入した場合、設置にかける費用やメリット・デメリット、回収にかかる期間などを2014年度と2015年度で比較してみました。
太陽光発電システム費用に関わる項目 | 2015年 | 2014年 |
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①システム価格(3.5kW) | 145万円+11万6,000円(消費税) | 155万円+12万4,000円(消費税) |
②売電収入(10年間) | 約4800kWh(年間推定発電量) × 32円(売電価格) × 0.8(売電分) ×10年間(固定買取期間) = 約122万8,800円 |
約4600kWh(年間推定発電量) × 37円(売電価格) × 0.8(売電分) ×10年間(固定買取期間) = 約136万1,600円 |
③電気料金削減分(10年間) | 約4800kWh(年間推定発電量) × 24円(買電価格) × 0.2(買電分) ×10年間(固定買取期間) = 約23万0,400円 |
約4600kWh(年間推定発電量) × 24円(買電価格) × 0.2(買電分) ×10年間(固定買取期間) = 約22万0,800円 |
10年後の損得計算 = ① - (②+③+④) | 106,800円 | 91,600円 |
2015年はもっと設置費用が下がったり変換効率が上昇すると予想されています。あくまでシミュレーションですが売電価格が30-32円/KWhに下がっても2015年中の設置は大きなメリットがあります。どちらも約11年で設置費用を回収することができ、12年目以降は売電した分が丸々収入となります。
太陽電池モジュールが故障しにくくなってきており、メーカーの保証期間が10年だったものが15~20年に延びていることを考えれば、2015年の導入にデメリットがあるとは限りません。また太陽光発電システムの一括見積りサービスも充実してきているので、最も安い施工業者を選べば2015年中の設置にも十分過ぎるメリットがあります。
ただし、2016年以降はさらに売電価格が下がることが予想されているので、できるだけ早く太陽光発電を設置するのがオススメです。
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